先日テレビ番組でマレーシアやタイで働く日本人を紹介していました。
彼ら・彼女たちは現地の日本企業の社員を相手にした仕事をしています。
「日本語だけでOK」とことさらハードルの低さを強調していました。
お給料は支給額で20万円そこそこでしたが、現地の物価がかなり安いので高級コンドミニアムに住み、休日は旅行をしたりととても「良い生活」ぶりでした。
日本でも月給20万円は大卒初任給ぐらいの金額です。
でもそこから税金や社会保険料を引かれると手取りで16~17万円くらいになってしまいます。
さらに家賃や光熱費、携帯代を払っていくと慎ましい暮らし、とてもではありませんが「良い生活」は難しいです。
もしくは月給20万円はまだいい方で、時給1,000円の仕事だとすると週6日は働かないと20万円は稼げません。
よって日本で正規雇用が難しい人が海外移住をするのは一つの選択肢としてはアリかなぁ、と思います。
日本でブラック企業に務めてカツカツの生活を小休止する意味も含めて。
でも、番組を観ていて思ったのが
「年金はどうするの?」
「いつまで働けるの?」
でした。
日本で採用されて日本の会社に在籍しての派遣期間が5年以内ならば厚生年金が適用されますが、おそらくそんな美味しい話は皆無でしょう。
現地法人に採用されることになると思うので、海外移住の時点で国民年金は強制加入ではなく任意加入になります。
海外に住んでも国民年金に加入したければ、手続きをして保険料を口座引落などで払い続けます。
日本の年金はどうなるか分からないから加入しない、という人も多そうです。
でも国民年金に加入し続ければ、不慮の事故などで障害が残ってしまった場合などに障害基礎年金が受給できます。
番組で紹介されていたマレーシアはまだまだ社会保険が十分整備されていないようです。
医療保険や失業保険も公的なものはありません。
この辺りの「何かあったらどうするのかな」という部分に、現地の平均月収よりも多くもらえるのだと思います。
さらに「いつまで働けるの?」は、マレーシアやタイは経済成長が著しく物価も上昇中です。
日本企業が現地の安い労働力を求めているのなら撤退もありえます。
成長市場を求めていても、物価上昇に月給20万円が現地平均月収を下回ってしまう可能性もあります。
よって安易な気持ちで海外移住するのはのちのち苦しいかもしれません。
でも「スキルを身につける」を前提をして数年働くのはアリだと思います。
日本人相手に日本語で仕事をしていた、では日本に帰っても職歴として評価されにくいです。
ではずっと日本に居住している方がいいのでしょうか?
もし、日本で働いていてもブラック企業などに勤めて生活が不安定だとスキルアップを考える余裕がないと思います。
ならば海外で働いて余裕のある暮らしをして、スキルを磨く勉強をしてもいいのではないでしょうか。
ビジネス英語を基本として、何かプラスになる職歴をみにつけます。
営業であったりマーケティングであったり。
ワーキングホリデーも「ホリデー」の色合いが濃くて日本に帰国後の就職に結びつきにくいと聞いたことがあります。
不安定な生活を一発逆転するために海外移住ではなく、勉強する環境を整えるための移住はアリですよね。
でも、頑張る強い意志は必要ですが……。