特製魚介中華そばを中心としたラーメン店の「麺や 独歩」さん。
立川市で居酒屋さんを間借りして昼間だけ営業されていて、交通の便が悪いのに行列ができるお店でした。
でも2014年4月に新宿御苑前に移転してしまいました。
それが2017年2月5日に、再びの移転に伴う新店舗工事期間中だけ昭島市でまた間借りオープンされるとのことになったそうです。
これは普段はSNSなどやらずに過ごしているラーメンを好きな人からの情報で、どこから仕入れてくるのか謎です。
マメにお店のブログなどをチェックしている、恐るべしラーメン情報収集力です。
「3年ぶりなんだよ?」
ということで2月5日は日曜日ということもあって、ラーメン好きマンと独歩さんに行ってみることにしました。
初日は12時オープンで、外出先から直接お伺いします。
当日は11時を過ぎるとソワソワして早く向かうことになりました。
「(このままだとかなり時間が余りませんかね?)」
そう思いましたが口には出しませんでした。
案の定11:20にはお店の前に到着してしまいました。
「(え?40分も前に並ぶんですか?まだ誰も並んでませんよ?)」
「(近くにモリタウンもございますから時間をそちらでつぶすなんてどうですか?)」
そう思いましたが口には出しませんでした。
そう、私も世の中のラーメンというものを学習しました。
ラーメンを食べるために並ぶのは自然の流れらしいです。
義務とか勤めではありません。
川の上流から水が流れてくるように自然なことらしいのです。
疑問に思うことではないのです、うん。
よござんす、覚悟を決めますよ。
並びますよ、40分。
でも、覚悟を決めたのに店内が暗いのです。
オープンまで40分あるとはいえ、店員さんの姿が見えないのです。
何度もスマホで独歩さんのブログを確認しますが前日にアップされた
「いよいよ明日!!」
となっているだけで特にお知らせがありません。
別の場所で仕込みをして直前に運び込むのかしらー?
不安が募ります。
ブログに書いてあった、本日営業する予定のお店の住所を何度も確認します。
すると後ろから
「この列は独歩さんのですか?」
と聞かれました。
仲間がやってきてホッとしました。
ほどなくして1組のご夫婦もやってきました。
でもみんな、なんとなく様子がおかしいなと感じています。
前の道をこちらの様子をうかがうようにゆっくりと車が通りました。
並んでいるのを確かめているようです。
きっとどこかの駐車場に停めて並びにくるのでしょう。
でもみんな、なんとなく様子がおかしいなと感じています。
念のために、間借りしているお店「Dibing えん」さんをスマホで検索します。
するとTwitterで
緊急‼️
誠に申し訳ございませんが
本日の独歩オープンは諸事情により見送る事になりました。
改めてオープン日はお知らせ致します。— Diningえん (@akisima_en) 2017年2月5日
なんですとー!
やっぱりーっ!
並んでいた5人はうなだれて解散です。
声をかけてこられた人は八王子から来たそうです。
近いけど、遠いですね。
残念でしたよね。
トボトボと歩きながら、これからどうするかの話になりました。
もう、ラーメン好きマンは今日ラーメンを食べないとこの高まった気持ちが納まらないとのこと。
「近くに気になるラーメン屋さんがあるからそこにしようか?」
「(それほどラーメンにこだわりがないから任せますよ)」
「ああ、でもそこが不味かったらこのやり場のない気持ちが本当に納まらない!」
「(え、そういうもの?)」
もうこうなったらラーメン好きマンを止められません。
ラーメンは川の流れです。
自然に逆らおうと思ってはなりません。
「よし、美味しいことが確実に分かっている大勝軒にしよう!」
と、独歩さんの仮オープン予定だったところから駅に向かう途中にある永福町系の「大勝軒 昭島店」に向かいました。
この残念な気持ちを煮干しの香りと醤油スープに癒やしてもらいましょう。
ほどなくして大勝軒さんに到着すると、鉄板の人気店なので行列してます。
すると、列の前に先ほど独歩さんでうなだれ解散したご夫婦も並んでいました。
わはは、考えることは同じですね。
大勝軒昭島店さんは10人くらい並んでいましたが、テキパキとさばかれていくのでそれほどストレスなく着席できました。
そして偶然にも先ほどの独歩さんで会ったご夫婦と相席でした。
話しかけてみたかったのですが、旦那さんが若干怖そうなタイプだったので躊躇してしまいました。
お待ちかねのラーメンがやってきました。
さっぱりしてるのに、しっかりしたスープです。
私の中で「中華そば」の王道イメージにあるラーメンです。
今日はたいしたことをしていないけれど、疲れた心にしみます。
食べ終わって大勝軒さんを出ます。
あー、すっきり、気分転換になったー。
やれやれ。
するとラーメン好きマンは
「念のために様子を見に行きたい」
と、独歩さんへ向かいます。
どんだけラーメン中心に生きているんですか。
他のことにもそれほどまでに念をいれてるんですか?
でも、
おう、私も確かめたい。
オープン予定の12時を過ぎた独歩さんを。
もし、開店してたらどうする?
あらやだもう1杯食べるのかしら?
少しドキドキしながら独歩さんに近づくと、お店の様子をうかがっている人がいます。
さっきのご夫婦じゃないですか!
奥さんと目があって「あはは」という感じに微笑みあってしまいました。
あら、おたくも念のためですか?
「もうラーメンについては好きにさせてます」
奥さんの目はそう語っているようでした。
ラーメンと生きている人についていくのも大変ですよね。
同志がいました。
ちょっと一緒にお茶でも飲みに行って語り合ってみたいところです。
そして、やっぱり独歩さんは開いていませんでした。
お店は誰もいなくてひっそりしていました。
開店できなかった理由も、今後の予定も貼ってありませんでした。
何があったのかなとモヤモヤしながらその日はお店のブログを時々確認しましたが
「いよいよ明日!!」
のままでした。
翌日になって「厨房設備不備の為」とアップされたことに気づきました。
行き場を無くした他のお客さんはどうしてたのかしらと検索してみると、皆さんもやはり近くのラーメン屋さんに行かれた様子でした。
そして独歩さんの初日に行く人が選んだお店はとても今後の参考になりました。
今回の件はモヤモヤするのですが、結果的におもしろかったです。
同志とアイコンタクトもとれましたし。
今まではラーメン界の川を土手からながめているつもりでしたが、どうも川のほとりまで来てたたずんでいるようでした。
だんだん付き添いから当事者になりつつあります。