天災から日本史を読みなおす
先人に学ぶ防災
磯田道史/著
中公新書
これは「人間を主人公として書かれた防災史の書物」であるそうです。
映画化もされた「武士の家計簿」の磯田道史氏が作者です。
以前もこのブログに書いた
【TV】SWITCHインタビュー 達人達 「さかなクン×磯田道史」
での対談で、初めて磯田氏の名前とお顔が一致しました。
その中で「震災後に、ライフワークとした」とされる震災史に興味があったので読んでみました。
対談でさかなクンのことを「無償の遊戯性がお話していて楽しい」と表現されたように、この本もどこか無償の遊戯性が盛り込まれているのか、興味深く、ぐんぐん読み進められます。
実は私、高校で日本史を選択しなかったので普通の常識レベルも日本史は怪しいのです。
それだからなのか、それともあまり知られていないのか、本書では秀吉と家康の覇権争いに地震の影響がとてもあったとされています。
天下分け目に地震が影響したのは有名なのでしょうか?
知らなかったですし、天災の恐ろしさをひしひしと感じました。
さらに本書は富士山の噴火や台風、津波などについてもつづられています。
「知らなかった」
を超越する、
「みんな知っておいた方が絶対にいいよ」
という、まさに先人に学ぶ防災です。
割と控えめな表現で原発の立地についても言及されていて「学ぶ」の重要さに緊張しました。
本当に文体も分かりやすいので、今後も磯田氏の著書を読みたいと思います。
読み終わってから知ったのですが、本書は第63回日本エッセイスト・クラブ賞を受けられているそうです。
そうか、内容が壮大だったのでドキュメンタリーっぽく思ってましたがエッセイのジャンルでしたか!
苦手な歴史だったので、身構えてました。
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