【TV】SWITCHインタビュー 達人達 「さかなクン×磯田道史」

スポンサーリンク

SWITCHインタビュー 達人達
Eテレ 毎週土曜日22時放送
「さかなクン×磯田道史」2015年7月25日放送

毎週、異なるフィールドで活躍する二人の著名人の対談番組です。
でも普通にインタビュアーがいて語り合うのではなく、前半と後半でインタビュアーをお互いに「スイッチ」してそれぞれの分野を語ります。
1つの分野で活躍している人が、別の分野で活躍している人に新たな視点で質問するのでとても興味深いです。

さかなクンは絶滅種とされていたクニマスの再発見をされ、東京海洋大学の客員准教授です。
磯田道史さんは歴史学者で「武士の家計簿」(新潮新書)の著者でもあります。
磯田氏はお名前は存じていましたが、お顔と名前が一致したのは今回が初めてでした。

画像参照:http://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2015-07-25/31/19500/2037086/

画像参照:http://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2015-07-25/31/19500/2037086/

お二人の会話はとても面白かったです。
番組が「自由研究スペシャル!」と銘打つだけあって、生物学的、歴史学的な会話がポンポン交わされます。
磯田氏がさかなクンに対して「自分と遠くないにおいを感じてる」と評したように、分野は違えどマニアックに突き進んだお二人はとても似ています。
魚オタクvs歴史オタクの激突。

前半はさかなクンが自分の専門分野の魚について案内します。
水族館で日本固有種ユウゼンの模様を見た磯田氏は「どうやって遺伝子で決まってるんだろうな」「人工繁殖もここで考えていく訳ですか?」と質問します。
頭のいい人がインタビュアーだとグングンと話に惹かれるコメントをします。

画像参照:同じ

画像参照:同じ

また、二人の共通点はマニアックで、食べていける分野とは思えなかったもので著名になっているところです。
お二人は得意分野以外の成績が悪かったそうですが、親御さんは好きにさせてくれたそうです。
好きにさせてもらえなかったら今のお二人は無かったことでしょう。
磯田氏も前方後円墳に関する計算をしたいから算数を頑張ったし、縄文土器に関して陶芸の本を読みたいから漢字を覚えたそうです。
必要があれば勉強はするのです。

お二人の会話で一番印象深かったのは、磯田氏がさかなクンと話していて何が楽しいかというと、
無償の遊戯性
なのだそうです。
労力かけて研究して成果が得られなかったらどうしようとか考えないところだそうです。
さかなクンも自己満足だけではなく、感動を共有しようと考えると仕事につながったり、食べていけるようになったりしていくとおっしゃっていました。
突出した才能ってこういうものなのかと思いました。

また、磯田氏は東日本大震災の翌年に今までの大学を辞めて浜松の大学に移られたそうです。
次なるライフワークに据えたのは震災史だそうです。
「歴史学は生きている」と、東海地震の危険に備えるため災害に関する古文書を研究し始めています。
私は格言で「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」といものにピンときていませんでした。
通信手段などの発達は遙かに違うのに、歴史に学ぶといっても参考程度なのではないかと思っていました。
でも磯田氏の古文書などのお話から「歴史学は生きている」がすっと腑に落ちました。

画像参照:同じ

画像参照:同じ

後半は磯田氏が自分の専門分野について案内します。
魚譜を一緒に見ながら歴史学者と生物学者が意見交換する様を見られるのは非常に贅沢でした。
お話が上手な専門家同士の会話は本当に貴重でした。

私もすっかり磯田氏の話術のファンになってしまいました。
女優の杏さんや俳優の堺雅人さんなど歴史好きの芸能人も集う“磯田会”なるものが存在するらしいので羨ましいことしきりです。

これからは、磯田道史さんに注目していきたいと思います。


コメント

タイトルとURLをコピーしました