しくじり先生 俺みたいになるな
テレビ朝日 毎週月曜日20時放送
毎週、過去に失敗した経験を持つ人が講師となって体験を語る番組です。
2015年8月3日放送の講師は、映画監督の紀里谷和明さんでした。
賛否両論の映画「CASSHERN」の監督さんであり、歌手の宇多田ヒカルさんの元・配偶者の方です。
紀里谷氏は映画界の慣習に従わなかったり、ビッグマウスで嫌われます。
また、作品も少し前衛的過ぎたので厳しい批判を受けました。
番組の生徒役で映画評論家の有村昆さんが出演されていました。
有村氏は、キャスターの丸岡いずみさんの配偶者ということで顔と名前を覚えたような気がします。
バラエティー番組ではお坊ちゃま育ちのキャラクターで、憎めない感じでした。
職業が映画評論家とのことだったので「評論して食べていけるなんて楽そうだなぁ」と思っていました。
…すみません、豊﨑由美さんの「ニッポンの書評」という本を読むまでは。
番組中に紀里谷氏は、当時映画を酷評した評論家として有村氏を名指ししました。
有村氏は「やっぱり来たか」という感じで、穏やかに、当時の自分の考えを述べていました。
インターネットで検索してみても、番組中の有村氏のことを「ヘラヘラしてた」と評されていたように有村氏には分が悪い場でした。
でも私には、一歩も引かない、事を荒立てないギリギリの毅然とした態度に見えました。
書評家の豊﨑さんによると、書評には背景があるそうです。
それまでに読んだ本の蓄積などによる力が、背景となるそうです。
よって有村氏はたくさん観た映画の蓄積の背景をもって、自分の責任で映画「CASSHERN」を批評したことに揺るぎがなかったのです。
批評をするって大変なことで、しっかりした背景が無いと説得力もないし、評した言葉が空虚になってしまいます。
批評家って実はスゴイと思いました。
(でも、後で有村氏の映画鑑賞は数作品を別モニターで同時に流しっぱなしにするスタイルと知り、私の目も節穴だとトホホな気持ちになりました)
紀里谷氏は番組のまとめの言葉として、
「どんな仕事をしている人でも
どんな作品を作っている人でも
リスペクト(敬意)を持って接したい…批評家以外は!」
とおっしゃっていました。
そんな、紀里谷さんってば、
どんな仕事を→批評
どんな作品を→批評
ってことで、批評家もリスペクトを持って接してあげてください。
という、紀里谷和明映画監督が講師だった番組なのに有村昆氏が印象に残ってしまいました。
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