【本】社会人大学人見知り学部卒業見込/若林正恭著

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完全版
社会人大学人見知り学部卒業見込
若林正恭/著
角川文庫



お笑い芸人、オードリーの若林正恭さんの著書です。
最初にオードリーの若林さんを見たときは、ずいぶん脱力系の人だなぁと思いました。
ガツガツしていないというか、達観しているイメージでした。
でも本書を読むと、脱力とはほど遠くいろいろ考えていらしたようでした。

TVで顔とお名前は一致してはいたのですが、人となりに興味はあまりありませんでした。
するとEテレで毎週土曜22時から放送している「SWITCHインタビュー達人達(たち)」という番組で芥川賞作家の羽田圭介さんと対談されていたのです。
それまで優等生で、人と上手くやっていくイメージで「ロックな人間」の部分があるのが意外でした。
さらに羽田圭介さんと息があっていて、とてもおもしろい対談でした。

脱力系に見えるロックな人間の人となりに俄然興味がわいてきました。

本書は帯に「中二病全開」とあったそうで、自意識を軸に書かれています。
でも文体は過去形なので安心して成長過程が見られます。
社会と折り合いを付けていくのも、不本意ながらという形ではなく「慣れていく」のです。
中には驚くほど慣れないことも含まれています。
多くの若者が「共感した」という感想を寄せたのも、慣れと慣れないことのスキマに自分を重ねたのかもしれません。

私は視点がとてもおもしろいと感じました。
心のすみにチラっとあった自意識がちゃんと表現されています。
でもだんだんと生きやすくなっていっているのです。
そんな意図はなかったでしょうが、少しホッとします。
リフレッシュによい読み物です。


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