【本】ユーミンの罪/酒井順子著

ユーミンの罪
酒井順子/著
講談社現代新書


ユーミンことシンガーソングライターの松任谷由実さんの曲を通じて、時代背景などを踏まえた「アルバムを読む」作業をされたものです。
私の両親はあまり音楽を聴いたりする方ではなかったので、あまりリアルタイムでの思い出はないです。
でも読みながら自分と重ね合わせると、ちょっと忘れていた気持ちや気づかないふりをしていたことがにじみ出てきます。
作者も「生き方の肯定」と表現されているように、ユーミンは青春小説というか自己啓発本だったのではないかと思わされます。

最初は曲の解説だろうと軽い気持ちで読み始めました。
すると、著述業の人はすごいなぁという感想に変わってきました。
と、いうのも私はユーミンが八王子出身で都内の高校に通い、都内の大学に通われていたのは知っていました。
でも、荒井由実名義の曲は横浜が舞台のものが有名です。
私は何も考えずに「あの辺の学校に通ってたのかな?」と思ってしまいました。
でも、ちゃんとなぜ横浜の近辺に行くことになったのか説明をされています。
私も仕事でユーミンについて書くことになったら調べるのかもしれませんが、着眼点がすごいです。

また、車で送ってもらうシーンも曲によく登場します。
都内のおしゃれスポットから八王子の実家へですね。
距離と時間を把握すると、ちょっとすごいことだと思います。
時代だったのかもしれませんが、ユーミンの力関係が強いです。
これも説明されると、当時の女性に人気があったことを内包している気がします。

こうやって年代順にアルバムの曲を読み解いてくれます。
うんうん、と情景を重ね合わせます。
本当は重ね合わせるようなことは無かったけど、有ったようなニュアンスを味合わせてくれるユーミンです。