【マンガ】バーナード嬢曰く。2 /施川ユウキ著

バーナード嬢曰く。2
施川ユウキ/著
一迅社
REX COMICS



漫画です。
本屋さんを巡回パトロール中に発見しました。
いわゆるジャケ買いです。

表紙で女の子が
「村上春樹をどーいうスタンスで読んだらいいか
正解がわかったよ!!」
と、振り返りざまに言っていたのです。
見た瞬間に、
「教えてー!!!」
と思いました。

村上春樹氏は発売日の深夜に並ぶほど支持してはおりませんが、
斜に構えて批判するほど駄作とも思っておりません。
かといって読んでいることを人に知られるのも照れます。
そう、ずっとスタンスが定まっていなかったのです。

裏表紙では表紙の女の子の友人と思しき少女が
「他人からどう見られるかとか意識して読書すんな!!」
と叫んでいました。
ハッとしました。
もう、まさに私のことではないですか。

すぐ読みたい!と思ったのですが、いかんせん2巻です。
1巻を探しましたが、発売から2年も経っているので街の本屋さんにはありません。
ネットで注文もいいのですが、本屋さん頑張れ運動を開催中なのでなるべく本屋さんで買いたいのです。
と、いうかすぐ読みたい。
もう、2巻からでいいです。
手に取った感じは1話完結っぽいので、途中からでも大丈夫そうですし。
あるまじき行為、2巻から購入決定です!

バーナード嬢というあだ名の女子高生が、友人たちと繰り広げる本についての会話の漫画です。
主人公がどこか自分です。
読書に対する考え方が、ミーハーで見栄っ張りなところがズッキュンズッキュンと心当たりがあります。

そして彼女を取り囲む、読書好きの友人たちもどこか自分です。
高校生とは思えぬほどに豊富な読書量の割に不器用な友人。
本について語る口調と実生活とのアンバランス。
かつての自分を見るようです。

爽やかながらも名作を読んだと思ったようにさせた、ように思わせる漫画です。

【本】タモリ論 / 樋口毅宏著

タモリ論

樋口毅宏/著
新潮社



私はウンチクなどを聞くのがとても好きです。
なので、ものすごい鉄子(研修中)というわけではないのですが、鉄道の話を聞くのが面白くて結果的に鉄子(研修中)になっています。

ウンチクが好きなのでTV番組のブラタモリやタモリ倶楽部をよく観ます。
好きなタレントは?と聞かれてもタモリさんとは答えないのですが、よくタモリさんの番組は観ます。
好きとか嫌いとかは超越してしまった存在です。
心のかたすみで、空気のように存在するタレントさんでした。

そしてある日「タモリ論」という本があることを知りました。
正直、タモリさんは好きでも嫌いでもないポジションの人だったので、そこをピンポイントで論じちゃうんだと思いました。

著者の樋口毅宏氏は小説家です。
デビュー作の「さらば雑司ヶ谷」は存じておりましたが未読でした。
本書にも引用があったのですが、タモリさんについても書かれているので後日そちらの本も読んでみたいと思います。

冒頭で作者はタモリさんは学びきれる人ではない、と書いています。
ここに私が「ピンポイントで論じちゃうんだ」と思ったことが集約されています。
本書を読んで、確信したのはタモリさんは天才的なつかみどころのない人ということです。
ご本人の美学でもあると思います。

第三章はビートたけしさんについてです。
タモリさんとたけしさんの対比についてなのですが、途中から「あれ、たけしさんの本だっけ?」と思うほどたけしさんについても熱く語っています。
タモリさんを語る上でも外せない、巨星なのです。

また、第四章でも明石家さんまさんについても触れています。
さんまさんのお笑い界での立ち位置との比較が、タモリさんを語る上で重要なのかもしれません。

若い芸人さんでタモリさんのような雰囲気の方はなかなか見かけません。
仕事から帰ってきてTVをつけたら勢いだけのネタや、突拍子もないことだけがネタのお笑い番組は疲れます。
その瞬間は笑えても、反動でむなしくなります。
力を抜いているように見せてもらえるタモリさんの芸風は、とても心地いいです。
その芸風を目指す若手芸人さんはたくさんいらっしゃるとは思いますが、なかなか売れる立場までもってくるのは大変でしょう。
芸風の変遷はあったものの、やはりタモリさんは天才だったと再確認せざるをえません。

本書を読んで、ますますタモリさんは明言しずらいタイプの、つかみどころのないタイプのタレントさんだとわかりました。
「分からない」というのがよく分かった本でした。

鉄子は研修中です。

私は、はたから見ると鉄子(鉄道が趣味な女性の俗称)らしいです。
でも名乗るには、まだまだおこがましいレベルだと思っています。
鉄子(研修中)
あたりが表現として妥当でしょうか。

鉄子(研修中)と思われるゆえんとして
・解体直前に餘部鉄橋を見に行ったことがある
・ブルートレイン出雲号に乗ったことがある
・風っこ会津只見号に乗ったことがある
・甲種輸送を見たことがある
とういうのがあります。

数年前に旅行で姫路城に寄ったので、せっかくだからと餘部鉄橋にも行きました。
JR山陰本線の鎧駅と餘部駅の間にかかる鉄橋です。
鋼材をやぐら状に組み上げた橋脚としては、日本一の規模の鉄橋でした。
当時は架け替えの予定があり、現存の姿を見られるのはあとわずかという時に旅行の経路を遠回りして見ました(現在は工事が終了し、2010年から餘部橋梁)
兵庫県内にあったのですが、世間では姫路城からちょっと遠回りのレベルではなかったようです。
下から見上げると、華奢な鉄材だけで高いところに設置された橋はものすごいインパクトがありました。
それをただただ「すごかった」と伝えようとすると「鉄子なの?」と聞かれてしまいました。

それから、東海道本線の貨物線を東京メトロの新型車両が走っているのを偶然目撃したときはうれしくて震えました。
工場で造られた電車の車両は線路を通って目的地まで運ばれるというのは知っていたのですが、実際に見られるとは思っていませんでした。
車両は静岡で製造されているのかと思っていたら、日立製作所笠戸事業所というところで造られていました。
山口県の山陽本線下松駅から全国へ輸送されるらしいのです。
車両を貨物列車扱いで輸送するものを「甲種輸送」というそうです。
普段は通らない、東京メトロの車両が東海道線の風景の中にいるのですよ!
地下鉄が、東海道線にですよ?!
それをただただ「すごかった」と伝えようとすると「鉄子なの?」と聞かれてしまいました。

こういう細かいエピソードが積み重なって、友人知人には鉄子と思われてしまうようです。
でもしかし、鉄子を名乗るには弱いエピソードです。
モデルの市川紗椰さんみたいに鉄道のドア音を聞き分けられるようにならなくては。

乗り鉄や撮り鉄、音鉄などありますが、どのジャンルも私は精通していません。
タモリ倶楽部などで鉄道好きの人たちが語っているのを愛でる鉄子、というジャンルはありませんかね?
(ちょっとそんなのを公言するのは失礼かしら)
そんなジャンルがあったら私も鉄子です。
鉄道好きな方たちが、ご自分の得意な分野を熱く語っていらっしゃるのを見守るのは大好きです。
鉄愛で鉄。

これが私の鉄子(研修中)です。

【本】読まずにはいられない /北村薫著

読まずにはいられない
北村薫/著
新潮社



北村薫さんのエッセイです。
デビュー当時は覆面作家として性別さえも不明の方でした。
豊富な読書量が作風から感じられます。
「円紫さんと私」というシリーズを、殺人事件が発生しないミステリーで好んでよく読んでいました。

そんな作家さんが書いた本にまつわるエッセイなので読んでみました。
いろいろな雑誌などに寄稿したものを集めたものです。
「東西ミステリーベスト100」では[あらすじ]と[うんちく]が書かれています。
うんちくが面白くて、読んでみようという気にさせます。
エラリイ・クイーンは作風が大きく変貌したそうで、乱読では得られないうんちくです。

また別に解説も書かれています。
[核心に触れた箇所があります。ご注意ください]
となっていたりするほど鋭く切り込んでいます。
批評と同じ、解説も読んだ後に読むもの前提なのですね。

基本的に内外の本について書かれているのですが、ご自分の著作についても触れられています。
主に書かれたころのエピソードなのですが、背景が知れて面白いです。
1作で2度おいしい読み物でした。

最後の方は本に絡めながらも日常生活のエッセイで、ご本人の人となりがあらわれいます。
とても久しぶりに思い出しましたが、文体がとても好きな作家さんです。
見習いたいものです。

【映画】マッドマックス 怒りのデス・ロード/極上爆音上映

マッドマックス 怒りのデス・ロード
極上爆音上映

あまりに楽しくて、劇場で2回も観てしまいました。

1979年に公開された「マッドマックス」のシリーズ4作目にあたるそうです。
前作の3作目からは30年ぶりの新作です。
1作目と2作目は観たことあるのですが、どちらも地上波視聴でした。
Twitterで評判がいいので、まるっきりのノーマークでしたが観てみることにしました。
しかも幸いなことに「極上爆音上映」をやっている映画館がそう遠くないところにありました。

「極上爆音上映」とは専門家が調整をし、作品にふさわしい大音量で上映されるものです。
高性能(カタカナ)なものをを新規導入し、重低音をたっぷり増量して爆発音や轟音などは音波が身体に響くほどの「体感」が味わえるそうです。
ただ単に音が大きいだけではない、クリアな台詞と音楽を両立させるのが「極上爆音上映」です。

あらやだ、面白そう。
せっかく劇場で観るのですから劇場ならではのものが観たいです。

今作のマッドマックスは大半というか、ほぼ、車で疾走です。
大型車が何台も連なって砂地を走りぬけるエンジン音が続きます。
爆音なので身体に響きます。
身体に響くって知っていたけれど、あまりに響くので半笑いです。
耳がおかしくなったらどうしようかと心配していたのですが、さすが高性能(カタカナ)を新規導入されただけあって、上映後も耳に違和感はありませんでした。

1回目に観た後は、あまりの疾走感の爽快さに笑ってしまいました。
「あー、楽しかった」
本当に、すっきりとしました。
人気があるのをつくづく実感いたしました。

その後、せっかく爆音上映は劇場ならではなので、もう1回観ておくことにしました。
2回目でも爆音は身体に響きます。
あまり語るようなストーリー性ではないと思っていたのですが、2度目ともなると少しグッときます。

ウォーボーイズのニュークスと女の子のカパーブルが視線を交わします。
女の子が振り返ると、種を大事にしていた勇敢なおばあちゃまが微笑んでいます。
マックスとフュリオサが群衆の中、視線を交わします。

「(あああぁぁぁぁぁぁ)」爆音が身体に響いていても、心は震えます。
劇場で観てよかったです。

平日に見たのですが、こんなに映画館が混むのをみたのは初めてかもしれません。
2回目は女性も比較的多かったように思います。
みなさん噂を聞きつけてきたのでしょうか。
レイトショー割引対象外でもこの人気です。

斜陽といわれる映画業界も、こういう技術で盛り返してくるのでしょうか?
楽しみです。

【本】シンプルに書く 伝わる文章術/阿部紘久著

シンプルに書く
伝わる文章術

阿部紘久/著
飛鳥新社



読んだ本の感想をブログに書くにあたり、書評についての書籍「ニッポンの書評」(豊﨑由美/著)を読みました。
そして漠然と、

私の文章はどうなのかしら?

と、思ったのです。
読書感想文の書き方はおろか、そもそも具体的な文章の書き方を習っていないような気がしました。
外国では子供のころにみっちり習うらしいので、テクニックというかルールを知りたくなりました。
そんなことを考えながら生活していると目に留まりやすくなるのか、Twitterで本書が紹介されていました。

「シンプル」という題名からも、本書もシンプルな構成です。
細かい章立てで、すっと頭に入ってきます。
原文を例題にして改善文を提示してあります。
確かに改善文の方が美しい文章です。
無意識だったことを明文化されたような、霧が晴れるような気持になります。

筆者は海外赴任経験があるのですが、母語による「誰にでも分かる言葉で表現」することがビジネスの成功につながると述べられています。
それができないと、外国語でも表現できないそうです。
国際社会の場で日本語力が鍛えられるというのも意外です。
シンプルに表現することによって、自分の考えが明確化されるというのも納得がいきます。

巻末付録の「いい文章を書くためのヒント 総覧」を読むだけでも美しい文章を書く要点がつまっていて、何度も読み返したくなりました。

【美術館】No Museum, No Life?これからの美術館事典/東京国立近代美術館

「No Museum, No Life?
これからの美術館事典
国立美術館コレクションによる展覧会」
東京国立近代美術館
2015.6.16 – 9.13 企画展
IMG_2251
行ってまいりました。
ちょっと都内へ出るので、ついでに他の用事を作ろうと調べたら変わったコンセプトで面白そうと思いました。
上野にある美術館は行ったことがありますが、竹橋の近代美術館は初めてです。

木場にあるのも現代美術館…近代?現代?ここで館名に違いがあることにハタと気づきます。
普段は意識していませんでしたが扱いが違うんですか?!
検索してみると、近代美術と現代美術は近代史と現代史みたいな感覚なのですね。
(諸説あるらしいので明言は避けます)
国立の現代美術館は無いようなので、国立近代美術館では現代美術も含まれているようです。

今回の企画はテーマが「美術館」の美術展です。
美術館にちなんだテーマを事典のように構成してます。
IMG_2252
atalogue 【カタログ】
ollection 【収集】
onservation 【保存修復】
uration 【キュレーション】

だけでもこれだけのキーワードが並びます。
AtoZで36のキーワードが紹介されていました。

絵も展示してあるのですが、どこか博物館のようです。
絵画以外の展示も照明であったり、梱包であったりと様々です。
搬入中の映像や、展示をするにあたっての打ち合わせの資料もありました。
美術にまつわる企画なので、いつもとは違う視点で美術を見られて参考になります。

さて、そろそろ帰ろうかとしたら校外学習の中学生の団体が入場してきました。
「賑やかそうで嫌だなぁ、あまり近づかないように気を付けよう」
と、正直思ってしまいました。
でも、先生がきっちり指導されているのか、とてもお行儀がよかったです。
それでもやはり授業の一環なので退屈そうな子も、興味深く見ている子もいました。
普段の美術館では大人ばかりで、こんなにも集中して絵を見ている人を見ることはなかったです。
これからの人生でこの美術展を見たことが基礎になる子もいるのかと思うと、すごいものを目撃してしまったようでした。
中学生たちも最初に観た美術館が形式ばった展示ではなかったのは、とても良かったのではないでしょうか。

帰りがけにミュージアムショップに寄ったら、岸田劉生の「麗子肖像」のメモパッドがありました。
需要があるから供給されたことを思うと、美術界の奥深さを感じました。
そうか、麗子肖像のメモパッドは需要があるのか!

【本】投資家が「お金」よりも大切にしていること/藤野英人著

投資家が「お金」よりも大切にしていること
藤野英人/著
星海社/発行



Twitterで「泣いた」と紹介されていたので読んでみました。
(実際は、泣きポイントは人それぞれということで)

ファンドマネージャーという、人から預かった資産を運用するプロが書いたお金の本です。
投資のコツとかではなく、もっと哲学的な感じです。
私は今までも使ったお金の対価は漠然とイメージしてきたつもりでしたが、その先の消費行動についも説明されています。
対価の他の意味については考えることなく、無意識にお金を使ってしまっていたことを実感しました。

分かっているつもりだったけれども実行できていなくて、これからは肝に命じようと思ったのが「未来に投資する」です。
よいプレゼンは未来について語るという例が挙げられていて、現在の日本の停滞がここの辺りにありそうでした。

お金について知らないから「お金=悪」となるそうです。
お金の話はタブーというか、はしたない感覚が自分にもありました。
私はどこで清貧を良しとする考え方を身に着けちゃったのでしょうか?

そして、ひふみ投信を運用されている方が「お金よりも大切なものがありますか」と問うことが意外でした。
道徳の授業的には誰でも言えることですが、きちんと表現されるってなかなか無いかなと。
きれいごとばかり書いてある感じなのですが、どれも納得できます。
もっときちんと、お金について向き合おうと思えました。

最後が「エイヤ!」で結ばれているのが象徴的です。

【TV】しくじり先生 紀里谷和明 映画監督

しくじり先生 俺みたいになるな
テレビ朝日 毎週月曜日20時放送

毎週、過去に失敗した経験を持つ人が講師となって体験を語る番組です。
2015年8月3日放送の講師は、映画監督の紀里谷和明さんでした。
賛否両論の映画「CASSHERN」の監督さんであり、歌手の宇多田ヒカルさんの元・配偶者の方です。
紀里谷氏は映画界の慣習に従わなかったり、ビッグマウスで嫌われます。
また、作品も少し前衛的過ぎたので厳しい批判を受けました。

番組の生徒役で映画評論家の有村昆さんが出演されていました。
有村氏は、キャスターの丸岡いずみさんの配偶者ということで顔と名前を覚えたような気がします。
バラエティー番組ではお坊ちゃま育ちのキャラクターで、憎めない感じでした。
職業が映画評論家とのことだったので「評論して食べていけるなんて楽そうだなぁ」と思っていました。

…すみません、豊﨑由美さんの「ニッポンの書評」という本を読むまでは。

番組中に紀里谷氏は、当時映画を酷評した評論家として有村氏を名指ししました。
有村氏は「やっぱり来たか」という感じで、穏やかに、当時の自分の考えを述べていました。
インターネットで検索してみても、番組中の有村氏のことを「ヘラヘラしてた」と評されていたように有村氏には分が悪い場でした。
でも私には、一歩も引かない、事を荒立てないギリギリの毅然とした態度に見えました。

書評家の豊﨑さんによると、書評には背景があるそうです。
それまでに読んだ本の蓄積などによる力が、背景となるそうです。

よって有村氏はたくさん観た映画の蓄積の背景をもって、自分の責任で映画「CASSHERN」を批評したことに揺るぎがなかったのです。
批評をするって大変なことで、しっかりした背景が無いと説得力もないし、評した言葉が空虚になってしまいます。
批評家って実はスゴイと思いました。
(でも、後で有村氏の映画鑑賞は数作品を別モニターで同時に流しっぱなしにするスタイルと知り、私の目も節穴だとトホホな気持ちになりました)

紀里谷氏は番組のまとめの言葉として、
「どんな仕事をしている人でも
どんな作品を作っている人でも
リスペクト(敬意)を持って接したい…批評家以外は!」
とおっしゃっていました。

そんな、紀里谷さんってば、
どんな仕事を→批評
どんな作品を→批評
ってことで、批評家もリスペクトを持って接してあげてください。

という、紀里谷和明映画監督が講師だった番組なのに有村昆氏が印象に残ってしまいました。

【本】ニッポンの書評/豊﨑由美著

ニッポンの書評
豊﨑由美/著
光文社新書



書評についての本です。
ブログを書くにあたって、読んだ本について書くのは読書感想文以来だなと思ったのです。
そして、ふと、宿題で読書感想文は書いたけれども書き方って習ったっけ?と思ったのです。
なので書評について調べてみようと思い、検索したらこちらにたどり着きました。

まず、自分で書くにあたって「粗筋ってどこまで書いていいの?」が疑問でした。
ビジネス書とかだったら内容がほとんど分かってしまう気がします。
ネタばらしについては豊﨑さんも言及されていて、また日本と海外の書評の違いも紹介されています。
粗筋のまとめ方で書き手の差が出るようです。

そして知らなかったのが、書評と批評の違い。
意識してませんでした。
書評は本を読む前に読まれるもので、批評は読んだ後に読まれるものだそうです。
なので、書評は読者の「読みたい」を引き出しながらもネタばらしをしないものなのだそうです。
難しい!

また、同一作品の書評を複数紹介されています。
書き手が違うと全然違うものになります。
豊﨑さんによると、書評には背景があるそうです。
それまでに読んだ本の蓄積などによる力が。
「その人にしか書けない書評。」
想像より奥深いです、書評。

巻末にはメディア史研究者の大澤聡さんとの対談があります。
「ガラパゴス的ニッポンの書評~その来歴と行方」
大澤さんは書評の歴史を研究されています。
呼び名の起源から職業としての書評家について語られました。

今までは書評は雑誌のすみに載っているもので、あまり意識していませんでした。
これからは、機会があれば同一作品の書評を読み比べて筆者の背景を堪能してみたいです。
後でちゃんと文章にまとめる、と思いながらする読書もまた自分の中での蓄積が変わってきそうです。
自分の読書の背景を意識せざるをえないことになりそうです。